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暗記で済ませるか、理由まで調べるか|正反対の2人と、10分の寄り道【行政書士試験】

このサイトは2人で運営していて、どちらも2026年度の行政書士試験を受けます。始めた時期も進み方も似ているのですが、やり方だけは正反対です。

2人のやり方

吉川:暗記で押し通せるところは暗記だけで行く。理解が要る論点では理解に努めるが、覚えれば済むものに時間はかけない。
直野:理屈が分からないと覚えられない。「なぜそうなっているのか」が気になると、そこで止まる。

資格試験という目的だけを見れば、たぶん吉川のほうが効率的で、私(直野)のやり方は不適合かもしれないと自分でも思っています。それでも理由が分からないまま覚えるのが苦手なので、結局こうなってしまいました。先日、地方自治法の問題で実際に起きたことを具体例として出します。

「覚えればいい」で済む問題だった

肢別過去問を解いていて、こういう設問に当たりました。正誤を答える形式です。

設問

地方自治法は、町村に限って、条例を定めることにより議会を置かず、選挙権を有する者による総会を設けることを認めている。

答え正しい

※本試験問題をそのまま掲載することはせず、論点を再構成した独自の設問にしています。

教科書には数行しか書かれておらず、問題集の解説にも特に踏み込んだ説明はありません。「町村だけ」「条例で」「選挙権者の総会」の3つを覚えれば正解できる問題に見えます。条文を確認すると、たしかにそのまま書いてあります。

地方自治法 第94条

町村は、条例で、第八十九条第一項の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。

地方自治法 第95条

前条の規定による町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する。

94条を読めば問題の3要素はそのまま拾えるので、ここで次へ進めば5分もかかりません。吉川ならそうすると思います。この手の論点は、確実に覚えて飛ばしているはずです。

私はここで止まりました

引っかかったのは「なぜ町村だけなのか」という点です。

条文には「町村は」としか書いておらず、市がだめな理由も、そもそもなぜこんな制度があるのかも書いていません。教科書にも問題集にも載っていない。理由が分からないまま「町村だけ」と覚えると、次に似た問題で主語をすり替えられたときに崩れる気がしたので、AIに聞いてみました。返ってきたのは、おおよそこういう内容です。

  • 総会の権限:議会を置かないので、議会の権限がそのまま総会に来る。予算・決算の審議、条例の制定改廃、地方税の決定など
  • 設置が認められる理由:住民が少なく、議員のなり手を確保するのが難しい自治体への対応。また、全住民が顔を合わせられる規模なら、代表者を選ばずに直接決めたほうが実情に合うため

1つめは条文で確認できます。95条が「町村の議会に関する規定を準用する」としているので、議会の権限が総会に移るのは条文どおりです。

納得したのは2つめのほうで、人口が少ないから成立する制度なのだと分かってしまえば、「町村だけ」はもう覚える対象ではなくなります。市の規模で住民全員の総会を開くのは物理的に無理だからです。

ただし、AIの説明をそのまま信じてはいません

ここは分けて考えるようにしています。

条文から言えることと、そうでないこと

条文から言える:町村に限られること、条例で設けること、選挙権者の総会であること、議会の規定が準用されること。
条文には書いていない:なぜ町村だけなのか、という理由。AIが説明した「議員のなり手不足への対応」は、近年の文脈で語られることが多い話で、制定当時からの趣旨とは限りません。

この制度は地方自治法の制定時からあるもので、「議員のなり手不足」は比較的最近になって注目された論点ですから、AIの回答は制定時の趣旨と現代的な意義を混ぜて説明している可能性があります。

それでも理解の助けとしては十分でした。「人口規模の問題だ」という筋が通れば条文が頭に残るからです。根拠にはしないが、覚えるための足場としては使う。そういう距離の取り方をしています。

かかった時間は10分

この寄り道にかかった時間は、だいたい10分です。始める前は、理解しようとすると時間が足りなくなると思っていたのですが、実際は1論点あたり10分程度で収まります。調べるのは「なぜこうなっているのか」の1点だけで、深入りはしません。

そして、この10分を使った論点は次から迷わなくなります。理由が分かっているので、主語を変えられても「市では規模的に無理だ」と判断できるからです。丸暗記だと、そこで揺れます。

逆に言えば、この10分を全部の論点でやったら破綻します。やっているのは教科書を読んでいて引っかかったところだけで、引っかからなかったものはそのまま覚えて先へ進みます。

どちらが正しいかは、まだ分かりません

吉川のやり方には明確な利点があって、単純に速い。覚えれば済むものに時間をかけないぶん、同じ時間で進む範囲が広くなります。試験は範囲が広いので、これはかなり大きいはずです。

私のやり方は遅いですが、一度納得した論点は落ちにくいとは感じています。ただ、これは感覚であって、まだ何も証明されていません。

同じ試験を同じ時期に、正反対のやり方で受ける2人がいるわけで、11月にはどちらが何点を取るかが出ます。結果は合否にかかわらず公開するので、そこで答え合わせができます。片方が受かって片方が落ちるのか、両方同じくらいなのか。やり方の違いが点数に出るのかどうかは、私たち自身が知りたいところです。

まとめ

覚えれば済む問題で止まって、理由を調べる。時間はかかりますが1論点あたり10分程度で、やるのは引っかかったところだけです。

調べるときはAIを使いますが、条文から言えることと、そうでない説明は分けています。今回でいえば、町村に限られることや議会の規定が準用されることは条文で確認できるのに対し、「なぜ町村だけか」の理由は条文に書いていません。だから理解の足場として使い、根拠にはしないという扱いにしています。

このやり方が試験に対して有効かどうかは、まだ分かりません。暗記で押し通す相方と、11月に答え合わせをします。

勉強の進め方は肢別を何周しても忘れるなら、進捗の数字は独学3か月半の記録にまとめています。

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ご確認ください

本記事は2026年8月時点の学習記録で、行政書士試験の受験生が執筆したものです。有資格者による監修は受けていません。条文はe-Gov法令検索で2026年8月に確認しています。制度の趣旨に関する記述は筆者の理解であり、正確性を保証するものではありません。学習方法についても効果を保証するものではなく、向き不向きは人によって異なります。試験の出題範囲・配点・実施要領は変更されることがあるため、受験にあたっては必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの当年度の公式発表をご確認ください。本サイトは学習の補助を目的としており、個別の法律相談には応じられません。

本記事は執筆時点の法令・試験制度にもとづいています。法改正や制度変更が反映されていない場合がありますので、受験にあたっては必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの公式発表をご確認ください。

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