肢別過去問を何周かすると正誤の判断は速くなるのですが、少し経つと忘れていますし、同じ論点でも聞き方を変えられると落とします。引っ掛けにも引っかかる。周回が足りないのだろうかと考えてもう1周する、というのを私も繰り返していた時期がありました。
やり方を変えた点
問題を解いたあとに整理するのをやめて、解く前に整理するようにしました。教科書を読んだ段階で自分の言葉の一問一答を作り、それを覚えてから肢別に当たります。教科書 → 一問一答 → 1周目 → 2周目 → 3周目 で1サイクルです。
働きながら平日2時間という条件で、13週間続いているやり方です。私はまだ受験前なので、これが正解だと言えるものではありませんが、少なくとも続いてはいます。
肢別が解けるのは、その肢の答えを覚えただけ
肢別過去問は1問1答の形で肢が並んでいるので、回していると正誤の判断は速くなります。ただ、そこで身についているのは「この文にはマルがつく」という対応関係であることが多いように思います。
本試験は同じ文では出ません。主語がすり替わっていたり、期間が変えてあったり、例外のほうを原則として書いてあったりするので、肢と答えの対応を覚えただけの状態では、こういう変化に対応できません。
足りないのは回数ではなく頭の中が整理されているかどうかで、しかもその整理は、問題を解いていれば勝手に進むというものではありませんでした。
解く前に、一問一答を作る
普通は逆で、問題を解いてから間違えたところをノートにまとめるのだと思いますし、私も最初はそう考えていました。いまは教科書を読んだ段階で作っています。肢別を1問も解いていない時点で、その分野について自分で問いを立てるということです。
何を一問一答にするかは、自分で決める
教科書を読みながら、整理しておくべきだと自分が判断した内容だけを一問一答にします。何が出るかを基準にすると作れないので、自分が混ざりそうだと感じたところ、区別がついていないと感じたところを拾っていく形です。
そしてこの「何を作るか決める」作業自体が整理になっています。問いの形にするには、何を聞かれる形にすれば自分の頭が動くのかを決めないといけないからです。「審査請求の期間は」と書くのか「処分があったことを知った日の翌日から起算して何か月か」と書くのかで、整理のされ方がまったく変わります。
答えを書くときも、教科書の文をそのまま写すと問いと噛み合わないので、自分の言葉に直すことになります。できあがったノートは結果物であって、主役ではありません。1つの分野で何個できるかもバラバラで、数を決めていないぶん、少ない分野もあれば多い分野もあります。
紙に書いている
アプリではなく紙のノートを使っています。作ること自体が目的の作業なので、書く手間がそのまま整理の時間になるからです。
覚えてから、肢別に当たる
作った一問一答の内容を中心にまず覚えて、そのうえで肢別過去問の1周目に入ります。
目の前に生徒がいるつもりで、声に出して説明する
覚え方は黙読でも書き取りでもなく、ひたすら声に出します。それも、目の前に架空の生徒がいると思って、その人に説明するように話すという形です。
この形にするとごまかしが効かなくなります。頭の中で読んでいるだけなら「だいたい分かっている」で通せますが、人に説明しようとした瞬間に、順番も理由も自分で組み立てないといけません。「審査請求は3か月」と暗唱はできても、「なぜ3か月なのか」「いつから数えるのか」を説明しようとすると詰まります。
説明できないところが、整理できていないところ
これが判定基準になります。覚えたかどうかは自分では分かりませんが、説明が途中で止まるかどうかは、はっきり分かります。止まった箇所が、まだ整理できていない箇所です。
一問一答を作るのが整理の作業だとすれば、声に出して説明するのは、その整理ができているかを確かめる作業にあたります。作って終わりにはしません。
順番を逆にした理由は単純で、整理されていない状態で問題を解いても答え合わせにしかならないからです。先に自分の中に枠を作っておけば、肢別は「その枠が正しいかを確かめる作業」になります。
分からない問題はAIに聞く
1周目では、解説を読んでも意味が取れない問題が出てくるので、そこはAIに聞いて理解してから先へ進みます。
独学の弱点はここだった
独学でいちばん困るのは質問できる相手がいないことです。一問一答を作る段階で意味の取れない箇所を飛ばすと、その穴は肢別を何周しても埋まりません。私はそこをAIで埋めています。
ただし条文と判例の確認は別で、AIの説明で腑に落ちても条文そのものはe-Gov法令検索で現物を見るようにしています。理解の助けにはなりますが、根拠にはしません。
3日で1サイクル
1周目を解いたら翌日に2周目、その翌日に3周目という形で、ここまでを1サイクルにして次の分野へ移ります。日をまたぎすぎないのは、間隔が空くと2周目が1周目のやり直しになってしまうからで、3日以内なら1周目で引っかかった肢を2周目でまだ覚えています。
問題数によって日数を変えることはしていません。分野によって20問のこともあれば80問を超えることもありますが、枠は3日で固定して、1日あたりの量のほうを動かしています。
机がなくても復習できるようになる
ここが、このやり方でいちばん効いている部分です。「架空の生徒に説明する」やり方には教科書も問題集もノートも要らず、口と頭だけで完結します。
回しているのはその日にやった内容と、しばらく触れていなかった内容です。全部を頭から通すのではなく、直近の分と久しぶりに戻ってきた分だけを、ここでも黙って思い出すのではなく声に出して説明し直します。
ここが実利
散歩中でも、風呂の中でも復習できます。机に向かう時間だけが勉強時間ではなくなる。働きながらで平日2時間が上限、という条件だと、この差はかなり大きいです。
別の記事で公開している週12時間・累計167時間という数字は机に向かった時間だけを数えたもので、頭の中で回している時間は入っていません。
逆に言えば、机の前でしかできない勉強に頼っていると平日2時間で頭打ちになります。時間を増やせないなら時間の種類を増やすしかないわけですが、机の外で回せる状態は、一問一答を作った分野にしか作れません。
1サイクルの手順
教科書でその分野を読む
完璧に理解しようとしない。次で問いを立てるための下地をつくる段階です。
整理すべきと判断した内容を一問一答にする
紙のノートに、自分の言葉で。混ざりそうなところ、区別がついていないところを拾う。数は決めない。ここが整理の本体です。
声に出して、架空の生徒に説明する
黙読しない。目の前に生徒がいるつもりで話す。説明が止まった箇所が、整理できていない箇所です。そこだけノートに戻る。
肢別を1周目。分からない問題はAIに聞く
解説で意味が取れないところを残さない。条文はe-Govで現物を確認する。
翌日に2周目、その翌日に3周目
間隔を空けない。ここまでで1サイクル。
以降、机の外で説明し直す
散歩中や風呂で、その日の分と久しぶりの分を声に出す。ここでも、止まったところが残っている箇所です。
まとめ
肢別を何周しても忘れるし、聞き方を変えられると落とす。これは周回が足りないのではなく、肢の答えを覚えただけで頭の中が整理されていないからだと考えています。
そこで順番を逆にして、教科書を読んだ段階で整理すべきと自分が判断した内容を一問一答にし、それを架空の生徒に説明するつもりで声に出して覚えてから肢別に当たり、3日で3周する。分からない問題はAIで潰す、という形にしました。
この形にすると、整理した分野は答えを見ずに思い出せる状態になるので、机が要らなくなります。平日2時間が上限という条件では、これがいちばん効いています。
足りるのかどうかは11月に受けてみないと分かりませんが、結果は合否にかかわらず公開します。進捗の数字は独学3か月半の記録にまとめています。
ご確認ください
本記事は2026年8月時点の学習記録で、行政書士試験の受験生が執筆したものです。有資格者による監修は受けていません。ここに書いた学習方法は筆者個人のやり方であり、効果を保証するものではありません。AIの回答は理解の補助として使っており、条文・判例は必ず一次情報で確認しています。試験の出題範囲・配点・実施要領は変更されることがあるため、受験にあたっては必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの当年度の公式発表をご確認ください。本サイトは学習の補助を目的としており、個別の法律相談には応じられません。
