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行政書士試験の独学ロードマップ|300点の配点から逆算する学習順と時間配分

行政書士試験の独学ロードマップ。300点の配点から逆算

行政書士試験の独学が続かない理由は、たいてい「やる気」ではないと思っています。範囲が広すぎて、どこから手をつけるか決められないまま時間が過ぎる。私自身がそうでした。

そこで先に配点表を見ることにしました。行政書士試験は300点満点で、合格に必要なのは180点。満点を取る試験ではなく、120点を捨てられる試験です。どこで取ってどこを捨てるかを最初に決めてしまえば、進める順番は自動的に決まります。

配点は公表されている数字なので、そこから逆算した順番なら、まだ受かっていない私にも組み立てられます。以下は合格者の助言ではなく、11月8日の本試験へ向けていま走っている人間の設計図です。

まず、合格の条件を正確に押さえる

行政書士試験には合格点が3つあります。総得点だけを見ていると足をすくわれるので、ここは最初に頭へ入れておきたいところです。次の3つをすべて同時に満たしたときだけ合格になります。

条件必要点満点必要な割合
法令等科目122点以上244点50%
基礎知識科目24点以上56点約40%
試験全体180点以上300点60%

足切りに注意

総得点で200点を取っていても、基礎知識が20点(5問正解)なら不合格です。基礎知識は14問しかなく、6問正解が絶対防衛ラインになります。「基礎知識は捨てる」という戦略は成り立ちません。

配点表:どこに何点あるか

科目ごとの配点は次のとおりで、この表がそのまま勉強時間の配分表になります。

科目択一式多肢選択式記述式合計
行政法19問/76点2問/16点1問/20点112点
民法9問/36点2問/40点76点
憲法5問/20点1問/8点28点
商法・会社法5問/20点20点
基礎法学2問/8点8点
基礎知識14問/56点56点
合計54問/216点3問/24点3問/60点300点

出題形式ごとの配点(択一1問4点・多肢1問8点・記述1問20点)と合格基準点は、試験センターが公表している「合否判定基準」に記載があります。ただし科目ごとの点数(行政法112点など)は公表されていません。本試験の各問がどの科目かを積み上げた数字です。

この表から読み取れることが3つあります。

行政法だけで全体の37%

112点は合格ライン180点の6割以上にあたるので、行政法を仕上げずに受かる道はまずありません。逆にここが固まると合格がかなり現実的になるため、最初に手をつけるのは行政法で、これは動かしようがないと考えています。

民法76点のうち、40点は記述式

民法は択一9問で36点しかありませんが、そこへ記述式2問(40点)が乗ります。択一より記述のほうが配点が大きいという、少し変わった構造の科目です。択一の勉強だけしていても点にならないので、早い時期から「書く」練習を織り込む必要があります。

商法・基礎法学は合わせて28点

商法・会社法20点と基礎法学8点で、合わせて全体の1割弱です。ところが会社法は、最終条番号こそ979条ですが、枝番号を含めた実際の条文は1,157あります(e-Gov法令検索で2026年8月に実測)。まともに全部をやると行政法より時間を食う計算になります。

20点に対してこの分量なので、費用対効果がはっきり悪い領域です。どこまでやるかを先に決めておかないと、ここで時間が溶けます。

捨てるのではなく、範囲を絞る

私は商法・会社法を5問中2問(8点)で見込んでいます。捨てれば0点ですが、頻出のところだけを回して2問を拾えるなら、それだけで計画の余裕がだいぶ変わるからです。0点を狙って捨てるのではなく、「安いところだけ買う」という発想に切り替えています。

学習順は、配点から自動的に決まる

以上をふまえると、進める順番は次のようになります。「得意な科目から」でも「テキストの目次順」でもありません。

STEP 1 行政法から始める(112点)

行政手続法 → 行政不服審査法 → 行政事件訴訟法 → 国家賠償法 → 行政法総論・地方自治法、の順が入りやすいはずです。手続法系の3つは条文の構造が似ているので、続けてやると相互に補強されます。

行政法は条文の数が多く見えますが、「誰が」「何を」「いつまでに」の3点セットで整理すると覚える量が一気に減ります。たとえば審査請求なら「原則として処分庁の最上級行政庁に対して」「処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に」といった具合です。

STEP 2 民法を並走させる(76点)

民法は理解に時間がかかって詰め込みが効かないので、行政法が終わってから始めるのでは間に合いません。STEP 1と同時に、少量ずつ毎日進めます。総則 → 物権 → 債権総論 → 債権各論 → 親族・相続の順で、まずは一周を軽く。

STEP 3 憲法・基礎法学・商法を回収する(56点)

憲法は判例中心なので、結論の暗記ではなく判断の枠組み(どういう基準で合憲・違憲を分けたか)まで追います。基礎法学は2問しかないため深追いは禁物で、商法は先に述べたとおり範囲を絞ります。

STEP 4 基礎知識で足切りを外す(56点)

令和6年度に科目名が「一般知識等」から「基礎知識」へ変わり、出題範囲は現在「一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解」と示されています。行政書士法等の諸法令が明示されたぶん、範囲が漠然としていた従来より対策は立てやすくなりました。

行政書士法 第1条(目的)

この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて国民の利便に資することを目的とする。

ここで注意したいのは、分野ごとの出題数が公表されていないことです。基礎知識14問が上の4分野からどう配分されるかは公開されておらず、本試験の問題58〜60は著作権上の措置と思われる理由で公開PDFに本文が載っていないため、外から数えることもできません。「文章理解は何問」という前提で計画を組むと、そこが外れたときに立て直せなくなります。

そこで私は、問題数ではなく「対策が効くかどうか」で優先順位をつけています。

  • 文章理解。現代文の問題で、解き方が決まっている分だけ安定させやすい
  • 情報通信・個人情報保護。個人情報保護法は条文で対策できる。行政法の勉強がそのまま効きます
  • 行政書士法等の諸法令。条文が少なく範囲が明確なので、取りやすい
  • 一般知識。範囲が読めない。ここに時間を注ぎ込まないこと

上の3つで6問を作れば足切りの24点は越えます。出題が読めない「一般知識」に時間を溶かすくらいなら、行政法をもう一周したほうが確実に点が伸びるはずです。

STEP 5 過去問を「説明できる」まで回す

過去問は解く回数を競うものではありません。5つの選択肢それぞれについて、なぜ正しいか/なぜ誤りかを口に出して言える状態がゴールだと考えています。正解の肢だけ覚えても、次に同じ論点が別の角度から出たときに落とすからです。

STEP 6 記述式を、手を動かして仕上げる(60点)

記述式は3問で60点あり、合格ライン180点に対してここの出来が合否を直接動かします。そして頭でわかっていることと、40字にまとめられることは別の能力です。直前期は紙に書く時間を取らないと形になりません。

白紙にしないための書き方

記述式は部分点が取れます。40字の中に①誰が ②誰に対して ③どういう手段を ④どういう要件のもとで という要素を、拾えるだけ拾って書く。完璧な答案を狙って白紙にするのがいちばん損です。

ただし採点基準は公表されていないので、記述で何点取れるかは事前に読めません。私は記述20点を前提に計画を組んでいて、その計算は180点をどこで取るかに書きました。

時間配分の目安

合格までの学習時間は600〜1,000時間とよく言われますが、これは各社が経験則で示している数字で、試験センターが公表しているものではありません。あくまで目安として、仮に800時間を配点どおりに割り振ると次のようになります。

科目配点時間の目安
行政法112点約280時間
民法76点約240時間
基礎知識56点約80時間
憲法28点約80時間
商法・会社法20点約60時間
基礎法学8点約20時間
記述式の答案練習約40時間

民法だけ配点比より時間を厚くしてあるのは、理解型の科目で、かつ記述式40点が乗るためです。逆に基礎知識は配点56点に対して80時間と薄めにしています。ここはやればやるだけ伸びる領域ではないので、深追いしないほうがいいと考えています。

この配分は私が置いている一例です。実際の私は5月11日から週12時間のペースで、本番時点の累計が約317時間になる見込みなので、上の800時間の4割にも届きません。実測値は独学3か月半の記録に出しています。

独学で失敗する3つのパターン

  1. テキストの最初から順にやる。多くのテキストは基礎法学・憲法から始まるので、配点8点の科目から入って、112点の行政法にたどり着く前に力尽きることになります
  2. インプットを完璧にしてから過去問に入ろうとする。テキストを読んでいる間は「わかった気」になれて心地よいのですが、点は伸びません。1周したら、理解が甘くても過去問に入ったほうがいい
  3. 記述式を直前まで放置する。60点分を最後の2週間で仕上げるのは無理があります。遅くとも試験3か月前から書き始めたいところです

まとめ

  • 合格条件は3つ。法令等122点、基礎知識24点、総得点180点をすべて満たすこと
  • 学習順は配点で決まる。行政法(112点)が最優先、民法(76点)を並走
  • 基礎知識は足切り回避が仕事。分野別の出題数は非公表なので、対策が効く分野から固める
  • 商法・会社法は範囲を絞る。実際の条文は1,157あり、20点に対して割に合わない
  • 記述式60点は手を動かして仕上げる。部分点を拾いにいく

行政書士試験に受験資格はありません。学歴も年齢も職歴も問われず誰でも受けられます。そのぶん、何をどの順でやるかを自分で決められるかどうかがそのまま結果に出る試験でもあります。

この組み立てで足りるのかどうかは、私自身も11月8日に受けてみないと分かりません。点数は、受かっても落ちても出します。いまの進捗は独学3か月半の記録に出しています。

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ご確認ください

本記事は2026年8月時点の情報にもとづき、行政書士試験の受験生が執筆したものです。有資格者による監修は受けていません。合格基準・配点・出題範囲は一般財団法人行政書士試験研究センターの令和8年度受験案内および同センター公表の「合否判定基準」により、会社法の条数はe-Gov法令検索で確認しました(いずれも2026年8月)。科目ごとの配点および基礎知識の分野別出題数は公表されていません。学習時間の目安や学習順は筆者個人の考えであり、合格を保証するものではありません。試験日程・受験手数料・出題範囲は変更されることがあるため、受験の申込みにあたっては必ず当年度の公式発表をご確認ください。本サイトは学習の補助を目的としており、個別の法律相談には応じられません。

本記事は執筆時点の法令・試験制度にもとづいています。法改正や制度変更が反映されていない場合がありますので、受験にあたっては必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの公式発表をご確認ください。

配点から、
逆算する。

どの科目に何時間かけるか。独学のスケジュールを科目別にまとめています。

学習ロードマップ

合格の条件

法令等 122点以上/基礎知識 24点以上/総得点 180点以上(300点満点)。3つすべてを満たすこと。