ホーム

行政書士試験、180点をどこで取るか|記述式を外して組んだ得点計画

行政書士試験の得点計画。180点をどこで取るか

行政書士試験の合格ラインは180点で、この数字はどこにでも書いてあります。ただ、180点と言われても困るというのが正直なところで、どの科目で何点取ればその180点になるのかは書かれていません。

全科目で6割ずつなのか、得意科目で稼いでいいのか。そこが決まらないと、どの科目にどれだけ時間を使うかも決められません。

この記事の結論

  1. 記述式60点は計算から外す。採点基準が非公表で読めないため
  2. 残る択一・多肢240点のうち、160点が最低ライン(記述20点を足して180点ちょうど)
  3. ただしちょうどを狙わず174点を目標にして、14点の余裕を持たせる
  4. 配分は行政法80/民法28/基礎知識36/憲法18/商法8/基礎法学4
  5. 行政法が20点落ちると、他科目に必要な得点率は64%→77%に跳ね上がる

合格した実績のない人間が得点計画を書くことに意味があるのかというと、配点が公表されている以上、逆算の計算そのものは誰がやっても同じ答えになります。以下は私が実際に計算して、自分の目標として使っている数字です。

試験はどんな形か

得点計画の前に試験の形を押さえておきます。ここが曖昧だと、配点の話が頭に入ってきません。

出題形式は3つ

試験日は令和8年11月8日(日)13時から16時(試験センター公表)で、全60問300点です。

形式問数1問小計どんな問題か
5肢択一式54問4点216点5つから1つ選ぶマーク式。部分点なし
多肢選択式3問8点24点枠内1〜20の語群から空欄ア〜エを埋める。1空欄2点で部分点あり
記述式3問20点60点40字程度で書く。採点基準は非公表

全体の7割が5肢択一式で、自分で書く形式は記述式だけです。そしてこの記述式が、あとで厄介ごとの原因になります。

科目は6つ、行政法だけ突出している

科目配点内訳
行政法112点択一19問/多肢2問/記述1問
民法76点択一9問/記述2問
基礎知識56点択一14問
憲法28点択一5問/多肢1問
商法・会社法20点択一5問
基礎法学8点択一2問

上の5科目をまとめて「法令等科目」と呼び、合計244点。これに基礎知識56点を足して300点になります。試験センターの受験案内では法令等46題・基礎知識14題とされていて、法令等の46題は択一40+多肢3+記述3で計算が合います。

試験センターが「合否判定基準」で公表しているのは、出題形式ごとの配点(択一4点・多肢8点・記述20点)と合格基準点までです。行政法112点のような科目別の点数は公表されていません。上の表は本試験の各問を科目ごとに数えて出した数字で、数え方は独学ロードマップの配点表に書いています。

「基礎知識」は法律以外の枠

試験センターの受験案内では、出題範囲が「一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解」と示されています。14問すべて択一式で、本試験では問題47〜60がこれにあたりますが、分野ごとの出題数は公表されていません。

科目名は令和6年度に「一般知識等」から「基礎知識」へ変わりました。ただし分野名としての「一般知識」は現在の案内にも残っているので、科目名と分野名が別物になっており、教材によって呼び方がぶれます。

合格の条件は3つ、同時に満たす

条件公式の基準点数に換算すると
法令等科目満点の50%以上244点中122点
基礎知識科目満点の40%以上56点中24点
試験全体満点の60%以上300点中180点

見落としやすいのが2つめです。基礎知識は14問しかなく、24点は14問中6問にあたるので、ここが5問以下なら他がどれだけ取れていても不合格になります。総合180点を超えていても関係ありません。つまり「基礎知識は捨てて法令で稼ぐ」という作戦は成立しない、ということです。

記述式60点を、計算から外す

ここがこの記事の核心です。

記述式は3問で60点、全体の2割を占めるのですが、問題はこの60点が読めないことです。40字程度で書かせる形式で採点基準は公表されておらず、手応えがあっても何点もらえるかは開示されるまで分かりません。自己採点の精度が、ここだけ極端に落ちます。

考え方

記述に期待した計画は、記述が崩れた瞬間に全部崩れます。だから最初から計算に入れない。取れたら上振れ、という置き方にします。

記述を除くと、択一216点と多肢24点で240点。ここから180点を作るとして、記述で何点取れるかによって必要な点数はこう動きます。

記述の想定択一+多肢で必要240点に対して
0点180点75%
10点170点71%
20点160点67%
30点150点62%
40点140点58%

記述ゼロ想定だと75%が必要になってかなり厳しく、逆に40点取れる前提なら58%で済みますが、その前提が外れたときに立て直せません。

そこで私は記述20点という置き方にしました。3問のうち1問がほぼ書けて、残り2問で部分点を拾う程度のイメージです。この前提だと、択一と多肢で160点が最低ラインになります。

ただし160点を目標にすると合計はちょうど180点で、1問落とした瞬間に不合格です。本番で狙い通りに取れることはまずないので、目標は最低ラインより上に置きます。

目標の置き方

択一と多肢で174点を狙う。記述20点を足して194点、合格ラインに対して14点の余裕。この14点が、当日の事故を吸収する枠になります。

その174点を科目に割り振ったのが、次の形です。

174点を科目に割り振る

行政法択一76+多肢1680 / 92点 87%
民法択一のみ28 / 36点 78%
基礎知識択一14問36 / 56点 64%
憲法択一20+多肢818 / 28点 64%
商法・会社法択一5問8 / 20点 40%
基礎法学択一2問4 / 8点 50%
合計記述式を除く174 / 240点 73%

3つの条件を確認しておくと、法令等は択一と多肢で138点、記述20点を足して158点なので、必要な122点を大きく超えています。基礎知識は36点で足切り24点に12点の余裕。総合は174+20で194点となり、合格ラインに14点の余裕が残ります。

行政法が崩れると、他では埋まらない

この計画でいちばん重要なのが行政法で、記述を除いても92点あり、240点の38%を占めます。

行政法の得点他の科目で必要必要な得点率
80点(目標どおり)148点中94点64%
60点(20点不足)148点中114点77%

20点落としただけで、他科目に要求される水準が13ポイント上がってしまいます。商法や基礎法学のような配点の小さい科目をいくら積んでも、この差は埋まりません。

行政法から始めろと言われる理由は、配点が大きいからというより、ここが崩れると計画そのものを立て直せなくなるからなのだと理解しています。

商法40%、基礎法学50%という置き方

目標得点率を科目ごとに変えているのは、範囲の広さと配点が釣り合っていないからです。

商法・会社法は5問20点ですが、会社法だけでも条文数は膨大で、全部を追うと行政法や民法の時間がなくなります。5問中2問で8点を狙うなら、頻出のところだけを回す形になります。基礎法学のほうは2問8点しかなく範囲もはっきりしないので、2問中1問で4点という置き方です。

ただし捨てているわけではありません。40%や50%を最初から見込んでいるだけで、捨てれば0点です。この2科目で12点を見込めるかどうかで、計画の余裕はかなり変わります。

基礎知識は足切りより上を狙う

目標を36点(14問中9問)に置いていて、足切りの24点=6問より3問多い設定にしています。

ぎりぎりを狙わない理由は単純で、この科目は範囲が読めないからです。とくに「一般知識」の分野は何が出るか予測がつかないので、6問ちょうどを目標にすると当日の出題次第で簡単に割ります。

逆に、対策が効く分野もあります。文章理解は解き方が決まっている分だけ安定させやすく、個人情報保護法や行政書士法等の諸法令は条文で対策できる。読めない分野に賭けず、読める分野を先に固めて9問を作るという組み立てにしています。

分野ごとの出題数は公表されていないため、「文章理解が何問出る」といった内訳は本記事では断定していません。この配分もあくまで私が置いている一例で、得意不得意によって最適な形は変わりますし、この通りに取れば合格するという保証もありません。数字の作り方の参考としてご覧ください。

計画に対する、いまの現在地

科目目標2026年8月中旬
行政法80点5月11日着手、8月末に一区切り。約100時間
民法28点並行して進行中。同じく8月末
基礎知識36点未着手
憲法・商法・基礎法学30点未着手
記述式20点未着手

目標194点のうち80点、およそ41%を行政法に置いていて、そこに最初の3か月半を充てました。9月から10月で残りを回しますが、基礎知識36点と記述20点は手つかずのままです。目標のうち56点分が、まだこれからということになります。実際の進捗は独学3か月半の記録にまとめています。

まとめ

180点は「全科目で6割」ではありません。記述式60点が読めない以上そこを計算から外し、択一と多肢の240点で組み立てます。最低ラインは160点ですが、ちょうどを狙うと1問の事故で落ちるので、目標は174点に置きました。行政法80、民法28、基礎知識36、憲法18、商法8、基礎法学4。記述20点を足して194点で、合格ラインに14点の余裕という形です。

そして行政法が20点落ちるだけで、他科目に必要な得点率は64%から77%に跳ね上がります。時間の配り方を決めているのは、結局この一点でした。

この配分でよかったのかは、11月8日に答え合わせをすることになります。自己採点の科目別得点まで公開するつもりです。

この記事をシェア

X LINE はてな

ご確認ください

本記事は2026年8月時点の情報にもとづき、行政書士試験の受験生が執筆したものです。試験日・題数・出題範囲は一般財団法人行政書士試験研究センターの令和8年度受験案内、配点と合格基準点は同センターが公表する令和7年度「合否判定基準」によります(いずれも2026年8月14日確認)。科目ごとの点数配分は公表されていないため、本試験の出題から積み上げた数字です。有資格者による監修は受けていません。記載した得点計画は筆者個人の目標であり、合格を保証するものではありません。試験の出題範囲・配点・実施要領は変更されることがあるため、受験にあたっては必ず当年度の公式発表をご確認ください。本サイトは学習の補助を目的としており、個別の法律相談には応じられません。

本記事は執筆時点の法令・試験制度にもとづいています。法改正や制度変更が反映されていない場合がありますので、受験にあたっては必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの公式発表をご確認ください。

配点から、
逆算する。

どの科目に何時間かけるか。独学のスケジュールを科目別にまとめています。

学習ロードマップ

合格の条件

法令等 122点以上/基礎知識 24点以上/総得点 180点以上(300点満点)。3つすべてを満たすこと。